- 2019.03.04
- 店舗イベント
会員の皆様へ: セミナー「知っておきたい相続税の基礎知識と節税対策」開催しました。
2月14日(木)にエキスパートオフィス会員向け無料セミナーを実施しました。
相続税の申告は、一生のうちに何度も経験するものではありません。だからこそ、長期的視野に立って、事前に考えておくことが必要である様です。
今回、エキスパートオフィス新橋の会員でおられます斉藤大税理士事務所の斉藤先生より、相続税に関するセミナーについてお話を頂いたとき、「まずは相続税の基礎的な仕組みを心得ておく」ことが如何に大事かということを改めて考えるきっかけを頂きました。
まず初めに、相続税は金額が大きくなるため、統計的に税務署が相続税申告の3回の内1回の割合で税務調査が入ります。調査の時に対応するための書類等の整備を怠っていると、いらぬ誤解を受けたりし、調査が長引くなどの影響がでる可能性があるそうです。
相続に関しては、いくつも考慮すべき点があるそうです、。一つは、節税をするために知っておくべき税制と特例の制度、二つ目は税務署を説得できる「理屈」いわゆる理論武装をきちんと用意しておく必要があること、そして、最後に残された家族にとって一番良い選択肢を考えることだそうです。
節税という観点では、大まかにまとめると、生前の贈与、不動産、保険の活用という3つがあるようです。そして、贈与という手段を一つとっても、住宅取得、教育や子育て資金等、税制上の贈与の特例にはいろいろあります。また、不動産を賢く利用することで、現金で持っているよりも相続の評価額を何分の一にも圧縮できる可能性もあります。
落とし穴もあります。教育資金目的の特例を使用場合、税務署に対してそれを有効に主張するために、学校に直接資金を振り込んで、その証拠を残しておかないと、子や孫に通常の貯金通帳に教育資金として振り込んでも、税務署に否認される虞があります。他にも、お子様の為にお子様名義の銀行預金口座を作って、そこでお子様の為の積立てをするケースが多いですが、これだけでは生前贈与とは見做されない可能性があります。そのため、贈与契約書の作成などが必要です。
エキスパートオフィスの会員の皆様に関しましては、事業会社のオーナーであるというケースも多いかと思います。その場合、事業会社の税務上の評価額の算定が必要です。相続財産にもなりますし、会社の重要な経営指標にもなるからです。同族株主等と判定された場合に、当該会社の税務上の評価額算定にあたり「特例的評価方式」が使えず、原則的評価方法となり、納税額が大きく膨らむ可能性があるとのことです。従いまして、評価を下げる方法として、オーナー企業では、死亡退職金の制度をうまく利用することでの節税が可能です。
ご家族に遺産をどのように残すか?これは納税の有無に限らず、重要な問題です。遺書でご自身の意思を明確にすることは、ご家族への思いやりではありますが、ご家族の争議の種にもなりえます。
また、相続資産が不動産や事業会社である場合等、相続税の支払い原資となる「現金」を用意してあげる必要があるか、ということも考慮点となります。
最後に、人生100年時代、相続を受ける方の年齢も高齢となるケースも多いです。その中で、相続する方とされる方がきちんと受け継ぐ、引き継ぐことが出来るか、という観点もあります。お互い感謝の気持ちが大切ということです。例えば、節税メリットが大きくても、処分が難しい不動産を残すことが果たしていいのか?ということも相続を受け継ぐ方を十分に考慮して決めた方がいいと思います。
先生のお話を伺い、相続は単に「節税」ということだけでなく、色々な要素があることを実感しました。そういう意味で、相続に関してたくさんの経験をされた専門性の高い税理士にご相談することが非常に重要であると実感致しました。お医者様が外科、内科等専門分野があるように、税理士も得手不得手があるからです。
斉藤先生は、医療特化の大手税理士事務所に勤務されておられた時、医師や歯科医師の相続に関する税務を担当され、相続・事業承継に精通されておられます。
今後ともエキスパートオフィスでは各界のエキスパートをお招きし、会員の皆様の日々の業務に役立つセミナーを開催して参ります。